「君は、僕のことが嫌いなのかい?」
「嫌ってる人間の質問にわざわざ答えてやるほど優しくないよ、俺は」
「よく知っているよ。しかし君の言葉から親愛の情を読み取れなくてね」
「あのな、『そうだね、君の言う通りだ』って言うだけが優しさじゃないだろ。過ちを犯しそうになってたら、たとえ相手の意思に反しても、止めてやらなきゃいけない。知り合いが道を渡りかけてる時に、トラックが近づいてきてるのが見えたらどうする?」
「……君のその態度は、それと同じことだと言うのかい?」
「まあな」
「それにしては厳しすぎるような気もするけどね。首根っこを掴んで引きずり戻さずとも、警告で十分だろう?」
「まあ、普通はそうなんだけどな。あんたの場合、無意識に赤信号に突っ込んでいきそうだから」
「ずいぶん酷い評価だね。じゃあ逆に聞こう、君自身はどうなんだい?」
「俺? そうだな、交差点の十字のど真ん中で突っ立ってる状態、かな」
「それはまた……ずいぶん酷い評価だね」
「そうか? まだ自覚があるだけましだと思うけどな」
殺伐とした会話の書き方が分からない。
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