「はーっはっはっは!ある時は一つ、またある時は五つ!正義の影武者…」
「ってこんなに派手に登場しといて影武者もクソもあるかー!!」
高らかに叫んだクライムに、緋雪が殴りかかった。もちろん、鉄扇で。
一撃必殺の攻撃をクライムは事も無げに交わし、
「はっはっは、甘いぞ緋雪。腕が鈍っているのではないか?」
と明らかに緋雪を怒らせる台詞を言い放った。
「よくも言ったわね!喰らいなさい!」
案の定、緋雪は本来の目的を忘れてクライムに襲いかかる。
「……浅葱先輩」
「どうしたの、カナタ」
「あれ、どうしよう」
「……」
すこし離れた所から、二人の喧嘩(というにはあまりにも一方的なのだが)を呆然と眺めるカナタと浅葱。
さらに、二人から数メートル離れた場所にいた敵も、口をあんぐりと開けて硬直していた。
「あ、隙あり」
「さっさと倒して帰る?」
「だな」
カナタはくるりと敵に向き直りダッシュで間合いを詰める。
敵がそれに気付いた時にはすでに遅すぎた。
「とおっ」
やる気の無い掛け声と共に繰り出したキックが顔面にクリティカルヒットし、敵はあっさり吹っ飛んだ。
「はい終了ー」
「お疲れさま」
いつの間にか近くに来ていた浅葱がねぎらいの言葉をかけた。
「帰る?」
「帰りますか」
二人が歩き出す後ろで、緋雪とクライムはまだ不毛な争いをしていた。
冒頭のクライムの台詞、元ネタ分かる方いますかねーガッ●ャマンです。いや年代ズレてますが…
好きな漫画でこの台詞をもじったシーンがあったので(笑)
クライムなら恥ずかしげも無く言えますね。
え?4人しか出てない?
もう一人いるんですが喋らないキャラなんですよ…と誤魔化しておきます(苦笑)
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