「さーて、もうすぐ皆お待ちかねのテストだなー。今回は何人赤点を取るか…」
担任の弥太先生がひどく楽しそうに言う。
「ヤタセン、趣味悪いでーす」
教室の中央、わざとらしく手を挙げながら発言する生徒がいた。
「リョウ、お前が一番危ないぜ~?今年は留年すんなよ」
「のわぁ、それを言うなぁ!」
発言した少年、リョウは先生の言葉に反応して勢いよく立ち上がった。
その次の瞬間、隣の席から目にも止まらぬ速さで蹴りが繰り出され、リョウの弁慶の泣き所にヒットした。
「ぐわぁ!」
足を押さえて座り込むリョウ。
「あー…、リータ、いくらなんでもやり過ぎだぞ…」
弥太先生まで呆れている。
蹴りを繰り出した本人―リータは少し困った顔をして、
「ですが、このままでは話が進まないと思いまして…申し訳ありません」
ぺこりと頭を下げた。
教室の後方、廊下から2列目の一番後ろの席で、マリンはこの騒ぎを眺めていた。
「ああ、相変わらずですねぇ…」
「あれが『相変わらず』なのか」
その隣、一番廊下側の席から声がした。
「カナタ君、今日は起きてたんですね」
「いつも起きてるよ…」
カナタは相変わらず何を考えているのか分からない顔で騒ぎを眺めている。
「そうです、いつもあんな感じですねぇ。騒がしすぎます?」
「そうだな」
こくりとうなずいたカナタだったが、少し首を傾げて、
「……ま、悪くは無い」
と呟いた。
あ!しまった、ハルヒが出てこない!(汗)
弥太先生を動かしたくて書いたネタ。
リョウは1年留年してます。
この二人は仲が良さそう、ってかからかい合ってそうだ…
椅子に座ったまま強烈な蹴りを繰り出すリータは凄いです(笑)
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